時事の見方                           

                              2007.8.8 
***** 参議院選挙後の動きについて *****
<質問>
安倍首相は続投の意志を早々に表明しました。これだけの大敗に
なったのに辞めない理由について替わりの人材がいない等々の理由
が取りざたされています。老師の見方はどのようなものなので
しょうか。
<回答> 
参議院選挙で大敗した場合でも、直ちに総辞職というシナリオ
は政界にはなく、可能な限り努力をして政権を1日でも長く続ける
ことが、政治の常道でありますし、現内閣もその常道を歩いている
ものと思います。
人材がいるとか、いないとかの問題ではなく、野党が現内閣を倒
せるか否かが、中心課題であると思います。
<質問>
      参議院で野党が過半数確保したことによって、自民党のやりたい
放題を牽制できるという民意が実現されたと思っています。政治の
流れは大きく変わるのでしょうか。
<回答> 
自民党独裁の時代は終わりつつあるように見て居ります。しかし
現政権を覆すということは、非常に力を必要とする作業ですから、
これからもいろいろと政治上の駆け引きは有ると思います。
唯自民党の側に小沢氏程度の駆け引きをする政治家が見あたら
ないように見受けられますので、暫くは小沢氏一流の猛攻が続く
のではないかと見て居ります。小沢氏に健康上の問題が生まれ無い
限り、自民党もかなり苦しむのではないかと見ております。
<質問>
赤城農水相が更迭されました。本人は辞める気など更々なかった
ようです。それほど安倍首相の信任が厚いとおもっていたので
しょうか。
<回答> 
今回3、4人の大臣の首が飛んでしまった事件も、従来の例を
考えてみた場合、与野党両方に傷がありましたから、何と無く背後
に隠してしまう習慣がありましたが、そのことが今回は出来ません
でしたので,日本の政治も少し良くなつて来た面もあるのでは
ないか、という見方をしております。
<質問>
民主党は自民党基盤の地方で圧勝です。小沢党首の作戦勝ちと
思われますが、農民への説得理由が補助金のバラマキで格差を
是正するとのことです。これでは従来の自民党のやり方と変わら
ないらないと思いますが。
<回答> 
選挙民に具体的な利益を約束して票を集めると云う手法は、民主
主義の常套手段ですから、小沢氏一流の名案がヒツトを放った
のではないかという見方をしております。民主主義の政治には
それなりの弊害が付いて廻ることも、事実であると思います。
<質問>
これらの状況を見ますと、小泉前首相が自民党をぶっ潰すと
言っていたのが確実に進行していると思います。結局得するのは
官僚だけという結果にならないで しょうか。
<回答> 
自民党政権の弱体化によって、官僚機構が逆に痛烈な打撃を受け
ているという事実があり、従来の官僚機構の再構築という可能性は、
非常に少なくなって居るという見方をして居ります。
****** 景気回復について *****
<質問>
都市の路線価が上昇してきています。又石油の値段が高止まりに
なっており、素材の値段が上昇けいこうにあります。これらは
インフレが起こる兆候で景気が良くなる前兆ではないのでしょうか。
<回答> 
都市の路線価上昇、石油値段の高止まり、素材の値段上昇等が、
景気の伸び悩みを意味しているのではないか、という心配をして
おります。
 
 
<質問>
只、景気が良いのは自動車産業が活況を呈する名古屋地区と
都市圏に限定され、地方はシャッターが閉じられた商店街等、
格差が広がっています。いずれは徐々に景気に好影響を与えるので
しょうか。
<回答> 
日本の自動車産業が何故世界的に高い評価を得ているのかを
考えた場合、やはり豊田自動織機の創業者である豊田佐吉さんが
自動織機に掛けた情熱と努力まで遡るのではないかという見方を
して居り,人類の偉大さを築く努力は,やはり人間自身の努力で
あるという見方をしております。
米英がイラクを攻撃する以前には、世界全体が不況に喘いでおり
ましたが,それ以来世界景気が回復した主な原因は、やはりイラク
に対する武力攻撃であつたという見方をしております。
<質問>
一方団塊の世代が年金生活に入り、人件費が抑制された状況で
格差が広がり、消費も伸びず景気失速との声も聞こえますが、老師
の見方はどのようなものでしょうか。
<回答> 
景気を良くする原因がなければ、景気はよく成りません。
したがって私は,既に世界の7乃至9カ国程度の主要国が集まって、
世界景気を悪くしないために、世界各国がどのような努力をしなけ
ればならないかを相談する時代が既に到来しており、その線に沿っ
て世界各国が協力して行く必要があるという見方をしております。
                             以上